コチラでも言及されていますが、レピータサイトにインストールされているmulti_forwardに多数のクライアント(NoraGateway等)が接続された場合に、レピータサイトの設置環境によっては、レピータサイト内外で音声がケロる等の問題が出る事があるようです。
今まではゲート超え時に一定の負荷が掛かるのみでしたが、multi_forwardに接続された接続局数が増えるだけN倍の負荷がレピータサイトにかかる為に、多くのクライアントが接続されると問題が表面化する場合があると考えられます。
尚、multi_forwardは全てUDPプロトコルを使用していますので、ゲートウェイPCに太古の時代の機材を使用していない限り遅い回線に接続されていても足を引っ張ることはなく、全体的に損失(ドロップ)するだけで総接続局数によるものです。
multi_forwardがソフトウェア的に正しくAPIを叩いていると仮定しますと、下記のいずれかの原因が考えられます
- レピータサイト側インターネット回線の帯域不足(例としてポケットWifiやADSL/ISDN/ダイヤルアップ回線)
- レピータサイト側ゲートウェイPCの性能不足
- レピートサイト側ルーターの性能不足
この原因に対して、ユーザー側で現実的に選択可能な対策は下記のようなものがあると考えられます
- レピータサイト側のインターネット回線増強(光回線に変更する等)
- レピータサイト側ゲートウェイPCの増強
- multi_forwardをレピータサイトの外部に設置
- レピータサイト側のルーター増強
→昔のルーターですとパケットがドロップする可能性があります。multi_forwardの接続方式的に、NATセッション数が多い機種をオススメします
上記対策は一例であり、対策を取る前に各々の環境固有の原因を特定する必要があります。問題が顕著に出ている場合、各々でデータを記録し分析、現実的な対策案の立案をし、必要な対策を実行する事をオススメ致します。
(データを記録・分析せずに、なんとなく…で実行しますと、例外なく改善しませんのご注意下さい)
最も効果的で単純な対策は、接続数制限を行うことですが、接続方式的にユーザー側で制限する事は困難です。個人的な推奨対策案は、実現可能などうかはともかくとして、NoraExternalConnectorと同様にmulti_forwardをレピータサイトの外部に設置する事です。
multi_forwardを外部の安定した回線・PCを利用できる場所に設置を行えば、多くのクライアントが接続されてもレピータサイトにかかる負荷は一定になり、影響しにくくなります。外部設置は推奨されるものではないとは思われますが、多くのクライアントが接続されているレピータサイトにおいては検討の価値があると思われます。
(外部に設置されたNoraExternalConnectorにおいては、50~60局程度の接続局数では、レピータサイトへの影響が出ない実績があります)
最後にNoraGatewayでは、NoraExternalConnector稼働レピータサイトではNoraExternalConnectorに優先的に接続し、稼働していないレピータサイトにはmulti_forwardに接続するように自動的に切り替えておりますので、ユーザー側で意識する必要はありません。特定のレピータサイトに特定のプロトコルで接続したい場合には、設定ファイル内のリフレクター使用プロトコル設定にて自由に設定可能です。